今からできる!薬学生の資産形成術|月1,000円から始める未来の安心づくり

薬学部の生活は、授業・実験・レポート、そして定期試験で忙しく、アルバイトの時間を確保するのが難しい場面も多いものです。
「今月もギリギリだった…」「貯金が全然増えない」
そんな経験がある方は少なくないと思います。
学年が上がるほど勉強量や実習の負荷が増え、5年生の長期実務実習や6年生の国家試験前の時期は、アルバイトがほとんどできず、収入が途絶えがちになります。
そのため、
「貯金や投資は社会人になってからでいい」
と考えてしまうのは、ごく自然なことです。
私自身も同じように考えていました。しかし、就職準備・引越し・生活費の初期費用など、社会人1年目に必要なまとまったお金のことを知ったとき、
「もっと早くから準備しておけばよかった」
と強く感じました。
実は、薬学生にこそ資産形成と相性の良い特徴があります。
その理由は次の5つです。
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6年間という「長い時間」を味方にできる(複利の効果を活かしやすい)
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社会人になると固定費が増え、貯蓄に回しづらくなりやすい
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奨学金返済や引越し費用など、将来の支出を計画的に考えやすくなる
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少額の積立でも、「金融リテラシー(お金の基礎知識)」が身につく
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少額ゆえ、万が一うまくいかなくても生活へのダメージは大きくなりにくい
つまり、資産形成の価値は
「いくらから始めるか」よりも「どれだけ早く習慣として身につけるか」
にあると言えます。
この記事では、実家暮らし・一人暮らしのどちらにも当てはまる形で、薬学生が今日から始められる「無理のない資産形成」を、データと体験談を交えて解説します。
薬学生特有の経済事情

薬学部は6年制という特性上、他学部よりも学費・教材費・生活費の総額が大きくなりやすい学部です。
日本学生支援機構(JASSO)の令和4年度学生生活調査によると、大学生への平均仕送り額は月約7万円程度とされています。一方で、自宅外生(一人暮らし)の年間生活費は平均で約150万円前後という報告もあります。
こうしたデータからも、
実家暮らしの場合:教材費・交通費・昼食代などで月2〜3万円程度が出ていくケースが多い
一人暮らしの場合:家賃・光熱費・食費などを含めると、毎月10万円を超える支出になることが一般的
といった実態がイメージしやすいと思います。
さらに薬学部では、次のような「学部特有の費用」が発生しがちです。
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白衣・実験器具・教科書などの教材費
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研究室配属後の雑費・交通費
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長期実務実習(5年生)の昼食代・交通費
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実習用スーツやビジネスバッグ
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就活時の交通費・宿泊費 など
実家暮らしであっても、大学までの交通費や就活関連費用は自分で負担するケースが多く、「思った以上にお金がかかる」と感じる学生は少なくありません。
収入が途切れやすい生活サイクル
薬学部は、他学部と比べてアルバイト収入が不安定になりやすい学部でもあります。
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3〜4年生:試験や実習準備が増え、バイトに入れる時間が減る
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5年生:長期実務実習で、数ヶ月にわたりアルバイトがほぼできない
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6年生:国家試験の追い込みで、バイトどころではなくなる
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国家試験合格後〜入社前:約1ヶ月は完全な無収入期間になりやすい
このように、「稼ぎたいときに稼げない」時期が何度も訪れます。
その結果、
「学生のうちは貯金なんて無理」
と感じてしまうのは、ある意味で自然な反応です。
しかし視点を変えると、薬学生の6年間は「少額でも長く続ける」ことができる貴重な時間でもあります。
よくある悩み・続かない理由

薬学生が資産形成を「自分には無理」と感じてしまう背景には、次のような「あるある」があります。
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まとまった金額を用意できない
毎月1万円以上の貯金・投資はハードルが高く感じる。 -
「今必要な支出」が優先される
教科書代、食費、サークル費、実習準備費など、急な出費が続きやすい。 -
投資が怖く見える
「損しそう」「難しそう」というイメージが先行して、一歩踏み出せない。 -
奨学金を借りているのに投資してよいのか不安
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親の仕送りをもらっているのに投資をする罪悪感
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「今は勉強が最優先」と考え、お金のことを後回しにしがち
これらは決して「やる気が足りないから」ではなく、薬学部という環境そのものが「貯めにくい構造」になっているためです。
だからこそ、
「意思」ではなく「仕組み」で続けられる方法
を選ぶことが大切になります。
解決策①:薬学生でもできる資産形成の基本(具体的ノウハウ)
STEP1:支出を「見える化」する
最初の一歩は、現状を知ることです。
おすすめアプリ
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マネーフォワードME
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Zaim
といった家計簿アプリを使えば、レシートを撮影するだけで大まかな支出が把握できます。
「何にいくら使っているのか」を客観的に見るだけでも、
「ここは減らせるかも」
と気づけるようになります。
STEP2:固定費を1つだけ見直す
薬学生が一番取り組みやすいのは、固定費の削減です。
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通信費:格安SIMに変更 → 月3,000〜5,000円削減できるケースも
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サブスク整理:使っていない動画・音楽・雑誌サービスを見直す
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保険:学生には不要なプランに入っていないか確認
固定費を1つ見直すだけで、年間3〜5万円程度の差になることもあります。
STEP3:月1,000円から新NISAで積立投資する
新NISA制度について
2024年から始まった新NISAは、学生も利用できる非課税投資制度です。
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つみたて投資枠:年間120万円まで(金融庁が定めた基準を満たす投資信託が対象)
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成長投資枠:年間240万円まで(より幅広い商品が選べる)
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合計:年間360万円まで投資可能
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対象者:その年の1月1日時点で18歳以上の国内居住者
学生が月1,000円〜5,000円程度で少額から始める場合は、基本的に「つみたて投資枠」を使うことになります。この枠では、長期・分散・積立に適した投資信託が対象となり、得られた利益に通常かかる約20%の税金がかかりません。
初心者が選びやすい商品
広く分散された投資信託としては、以下のようなものがよく使われます。
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全世界株式インデックスファンド:世界中の株式に分散投資
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S&P500連動ファンド:アメリカの代表的な500社に投資
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バランスファンド:株式と債券を組み合わせたもの
これらは市場全体に分散投資する商品で、個別株と比べてリスクが抑えられ、初心者でも比較的取り組みやすいといわれています。
初心者が始めやすい証券会社の例
口座開設先として、以下のような証券会社が初心者に選ばれることが多いです。
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SBI証券:取扱商品が多く、月100円から積立可能
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楽天証券:楽天ポイントが使える、画面が見やすい
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マネックス証券:クレカ積立のポイント還元率が高い
※上記は一例であり、特定のサービスの利用を推奨するものではありません。各社の特徴やサービス内容は変更される場合がありますので、ご自身で最新情報をご確認ください。
【重要】投資のリスクについて
投資を始める前に、必ず以下の点を理解しておく必要があります。
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元本が保証されていない(価格が下がる可能性がある)
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短期的には損失が出ることもある
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生活費や緊急用の資金は別に確保すべき
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少額から始め、余裕資金で行うことが大原則
一般的には、月の生活費の3〜6ヶ月分程度を緊急用の資金として手元に確保しておくことが推奨されています。投資はあくまで「余裕資金」で、生活や学業に影響のない範囲で始めることが大切です。
ただし、全世界株式やS&P500のような分散投資商品について、過去のデータを見ると、15〜20年以上の長期保有では元本割れの可能性がかなり低くなったと報告されているものもあります。もちろん、これはあくまで「過去のデータ」であり、将来の結果を保証するものではありません。
奨学金を借りている場合は?
「奨学金を借りているのに投資していいの?」という疑問は自然です。
基本的な考え方は以下の通りです。
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奨学金の金利が低い場合(0〜1%程度):少額の積立投資と並行するのも選択肢の一つ
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高金利の借入がある場合:まず返済を優先すべき
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親の仕送りで生活している場合:親と相談の上、「金融教育」として月数百円〜1,000円程度から始めるのも一つの方法
重要なのは、「習慣として学ぶこと」に価値があるという視点です。月1,000円の投資は、金額よりも「お金が働く仕組みを体感する」という学びに意味があります。
STEP4:自動積立で「ほったらかし」にする
勉強や実習で忙しい薬学生ほど、自動積立は強力な味方になります。
奨学金の振込日
バイト代の入金日
月初
など、都合のよいタイミングに合わせて「毎月1,000円」から自動で積み立てる設定をしておけば、意識しなくても資産形成が進んでいきます。
解決策②:体験談|毎月ギリギリだった私が「月5,000円積立」を続けられた理由
私は2〜3年生の頃、毎月の収支がほぼプラスマイナスゼロでした。教科書代や交通費が続くと、月末には財布に数千円しか残らないこともあり、貯金どころではありませんでした。
4年生の夏、就活セミナーで
「薬剤師1年目は、引越しや生活準備で10〜20万円ほど必要になる」
と聞き、ようやく危機感を持ちました。
そこで次の3つを見直しました。
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スマホ代:8,000円 → 2,500円(大手キャリアから格安SIMへ)
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動画サブスク:2つ契約(計2,000円) → 1つ解約
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外食:週5回 → 週3回に調整(約2,500円削減)
この3つだけで、月に7,000〜9,000円程度のゆとりが生まれました。
そのうち5,000円を全世界株式インデックスファンドの積立に回し、残りの2,000〜4,000円は急な出費に備えた予備費として確保しました。
生活の満足度はほとんど変わらなかったのに、アプリの数字が少しずつ増えていくのを見るのが楽しみになり、
「少しずつだけど、将来への準備が進んでいる」
という安心感を得られるようになりました。
この経験から、資産形成の価値は
「最初の金額」ではなく「続けられる仕組みを作ること」
にあると感じています。
解決策③:継続のコツ(習慣化の心理学)
完璧を求めない
1ヶ月積立が止まっても大丈夫です。大事なのは「やめること」ではなく「また再開すること」です。
目標は小さく設定する
「100万円貯める」といった大きなゴールより、
「月1,000円だけ積み立てる」
といった小さな行動目標のほうが続きやすくなります。
見える成長を習慣にする
家計簿や証券会社のアプリで、残高が少しずつ増えていく様子を見ると、モチベーション維持にもつながります。
薬学生の武器=「時間」
長期投資に関するいくつかの分析では、世界株式やS&P500といった株価指数に長期で投資した場合、15〜20年以上の長期保有では元本割れの可能性がかなり低くなったと報告されているものもあります。もちろん、これはあくまで「過去のデータ」の話であり、将来の結果を保証するものではありません。
とはいえ、
「時間を味方につけるほど、リスクがならされやすい」
というのは、多くの長期投資のデータに共通して見られる傾向です。
例えば、月5,000円を年率5%程度で運用できたと仮定して6年間積み立てると、
元本:36万円(5,000円×12ヶ月×6年)
将来の金額のイメージ:約41万円前後
といった試算ができます。
※これはあくまで「年5%で増えたと仮定したシミュレーション」であり、過去の平均リターンに基づく試算です。実際の運用成果を保証するものではありません。
金額そのものよりも、「お金が働く仕組みを数年間体感できる」ことが、将来の大きな財産になります。
卒業後の選択肢を考えておく

6年間積み立てた資産は、卒業時に以下のような使い方ができます。
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パターン1:引越しや生活準備の費用に充てる
社会人1年目の初期費用として現金化する -
パターン2:そのまま継続して積立を続ける
社会人になってからも資産形成を継続する -
パターン3:一部を使い、残りは運用継続
必要な分だけ現金化し、残りは投資を続ける
どの選択も正解です。状況に応じて柔軟に判断できるのも、少額投資の利点といえます。
まとめ(要点整理+行動促し)
薬学生は、出費が多く収入が不安定になりやすい環境にあります。それでも、
少額 × 長期 × 自動化
という形なら、無理のない範囲で資産形成を始めることができます。
今日からできる3つのアクション
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サブスクを1つ見直して解約する
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格安SIMや携帯プランの料金を一度比較してみる
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証券会社のアプリをダウンロードし、「月1,000円の自動積立」をシミュレーションだけでもしてみる
最初の一歩は、とても小さくて大丈夫です。
薬学生の今だからこそ、将来の自分のために、「お金の土台」を少しずつ整えていきましょう。
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品やサービスの利用を推奨・勧誘するものではありません。投資には元本割れを含むリスクがあります。各制度や商品を利用する際は、ご自身の判断と責任のもと、無理のない範囲で行ってください。