薬学生に聞いた!実務実習レポートを作成するコツとは!?

- 薬学生に聞いた!実務実習レポートを作成するコツとは!?
今回は実務実習と就活を同時並行で進めていた薬学生に、実際の経験を踏まえながら
どうすればレポートを短時間で書き終えることができるのかについて、インタビューをしました。
薬局実習と病院実習では書き方のポイントが大きく異なるとのことで、
両方の実体験を基にしたリアルなアドバイスをまとめています。

Q 薬局実習の日誌はどのようにすれば早く書けますか?
Aさん:
私の実習先では最初にレポートを書きすぎると後半書くことがなくなるよと伝えられていました。
細かく書かなくてもいいし学んだことを書き漏らしても詰めたりしないから自由に書いて良いと言われていました。
ただ私は学びたいことが多かったため毎日学んだことを丁寧に書き続けていました。
早く終わらせるために効果的だったのは
その日に学んだことや気づいたことをメモしておくことでした。
分からない薬が出てきたらすぐ調べてメモし、その内容をそのままレポートに書けば文字数が自然に増えます。
一包化の仕組みや薬価制度、副作用報告制度などその日に触れた内容を深掘りして調べるとレポートは驚くほど早く書き終わります。
また学んだことや気づいたことから自分がどう感じたか、何を改善したいか、今後どう取り組みたいかを書き足すとスラスラ書けるようになります。
業務内容を事実として羅列することも有効です。
在宅、一包化、散剤調製、ピッキングなど、行った業務を並べてからその日にできたこと、うまくできなかったことを書き足すと内容が自然に増えます。
さらに患者との関わりはレポートの材料が豊富です。
患者との会話から学んだこと、その患者が抱えている不安や気づけた問題などを書き出すと内容が深まり、書くことに困りません。
例えば血糖値が前回より高い患者がいた場合
原因は何か、どんな質問をすれば原因が分かるか、季節や生活リズムで影響は出るかなど
自分で仮説を立てて考えることが大切です。
分からなければ薬剤師に相談すると丁寧に教えてもらえるため、そこからまた日誌に書けるエピソードが増えます。
主体性を持ち疑問点をすぐに質問し、知らない薬を調べ、添付文書を読む。
これを繰り返すと新しい知識に多く触れることができ、そのまま日誌に書く内容が増えます。

≪薬局実習レポート例≫ ここは色掛けなどをお願いします。
本日は9件の服薬指導を担当した。その中でも印象に残った症例について記録する。
症例1: 睡眠薬服用後に嘔吐があった患者への指導
以前、睡眠薬を服用した際に嘔吐を経験した患者が来局された。その後は服用を中断しており、薬は自宅に残ったままであった。睡眠状況を確認すると、夜間に目が覚めると再び眠れず、日中に昼寝をしてしまうことで生活リズムが乱れているとの訴えがあった。
薬歴には、前回の服用時は偶発的に体調が悪かった可能性が記録されていたため、体調が良い日に再度試す選択肢を説明した。患者は薬が合わなかったのではないかという不安を持っていたが、当日は体調がよく、今夜試してみようかなと前向きな姿勢も見られた。ただし、無理に服用する必要はないこと、再度不調を感じた場合は医師へ相談するよう助言した。
今回のケースでは、薬が本当に適していないのか、それとも一時的な体調不良が原因だったのかについて、自分の中で判断基準が明確でなかった。今後は、副作用と偶発的な体調変化の鑑別判断について理解を深めていく必要があると感じた。
≪投薬時のコミュニケーションについての振り返り≫
最近、投薬時に患者から感謝される場面が増えている。これは、患者の話を丁寧に聞く姿勢が評価されている結果だと感じている。薬剤師と比べると知識不足な点は多く、患者に十分な情報を提供できているのか不安もあるが、以前よりは質問に対して調べて回答できるようになったと感じている。
患者が笑顔で帰られたり、手を振ってくださるなどの様子を見ると、薬剤の提供だけでなく薬剤師との対話が安心感につながっていることを実感した。病気の治療や薬の服用に負担を感じている患者にとって、薬剤師とのコミュニケーションは大きな支えになると考える。今後も、患者に寄り添いながら、より丁寧な情報提供と信頼関係の構築を心がけていきたい。
このように常に理由を考えながら書くことが日誌を早く仕上げる最大のコツだと感じました。

Q 病院実習のレポートはどのように書いていましたか
病院実習は薬局実習以上に日誌の負担が大きいと感じました。
私の実習先では日誌に提出期限があり何度も遅れて注意されていましたが
就活と並行しながら毎日書くのは本当に大変でした。
病院実習は扱う情報量が桁違いで、薬局では30分で書けた日誌が病院では1時間かかることもありました。
そこで早く書くために徹底していたのはまず学んだことを羅列することでした。
正直調べている時間がなかったため、羅列した後に分からなかった部分だけ調べて書いていました。
実習先では日誌が評価対象だったため、文章量を減らさずしっかり書き
いかに真剣に取り組んでいるかを見せる意識も必要でした。
疑問に思ったことは一つの内容でも長めに広げて書いていた記憶があります。
例えば輸液について学んだ日は、輸液の種類を徹底的に調べ
ジャンルごとに分類し、どの患者にどの輸液が使われるのか
その輸液の利点や欠点
成分はどうなっているのか
どの病棟で使われるのか
これらを調べて一気に書き上げていました。
病院実習は薬局実習と比較しながら書くと書きやすく、
病院ならではの学びや発見を書くと病院の薬剤師にも喜ばれました。
病棟実習が始まるとさらに書きやすくなります。
私は薬局で患者との接し方を学んでいましたが、病院では扱う疾患が重く、薬剤の説明も視点を変える必要があります。
例えば副作用を伝える際に患者を不安にさせないように話す工夫など、その日に気づいたことは全て日誌に書いていました。
初めて知った薬については副作用、投与速度、間隔、用量を調べ
患者にどのように説明するべきかを考えて記録しました。
副作用確認で患者がどのような訴えをしたか
どの薬が処方されたのか
医師の判断はどうだったのか
時系列で追うと書きやすく、内容にも厚みが出ました。
病棟では患者の死亡に立ち会うこともありました。
その際に何を感じたのか
原因は何だったのか
薬の影響はあったのか
病棟薬剤師に質問しながら深掘りすることで、レポートの内容も自然と増えていきました。
また、この患者にはこの薬なのに別の患者にはなぜ違う薬なのか、といった比較の質問をすることで、疾患ごとの薬物治療の違いを理解でき、レポートに書ける内容もさらに増えました。
≪病院実習レポート≫ ここは色掛けなどをお願いします。
本日は2名の患者に対して服薬指導および持参薬の確認を行った。以下に各症例について記録する。
症例1: irAE疑いによりステロイド治療が開始された患者
本患者は胃がんの既往があり、免疫チェックポイント阻害薬であるオプジーボ(ニボルマブ)を使用していた。近頃、irAEが疑われたため、本日よりプレドニゾロンが開始されていた。併用薬として、骨粗しょう症予防目的のアルファカルシドールと、免疫抑制を目的としたダイフェンが処方されていた。
irAEは免疫機能が過剰に働き、正常細胞を攻撃することで生じる多様な副作用である。発現する臓器は患者ごとに異なり、症状のパターンが広範囲にわたる点が特徴である。
服薬指導では、ステロイドの副作用として感染症リスク、胃腸障害、不眠、骨粗しょう症などの可能性を説明し、特に睡眠状態について丁寧に確認した。また、患者は持参薬としてタケキャブを服用しており、バイアスピリン併用による消化管潰瘍リスクへの対応が適切に行われていた。
ステロイドの減量については、炎症マーカーなどの数値が改善した際に徐々に用量を減らしていくことを説明した。腎機能についてはCr 3.4、Ccr 12.4で低下が見られたが、回復の見込みがあるためダイフェンの継続投与に問題はないとの判断が示されていた。
症例2 :手術前の50代男性患者(バンコマイシンアレルギーあり)
本患者の持参薬はフォシーガ、マンジャロ、トリンテリックス、デエビゴ、リスペリドンであった。フォシーガとマンジャロについては、術前中止薬として適切に管理されていた。
手術前の処置として、センノシド錠とグリセリン浣腸液が処方され、腸内を空にして翌日の手術に備えていた。術後にはロキソニン、レバミピド、リクシアナ、ケフレックスカプセルの投与が予定されていた。
また、バンコマイシンに対するアレルギーがあるため、抗菌薬にはテイコプラニンが選択されていた。
≪本日の学びと振り返り≫
irAEは発現部位が患者によって大きく異なるため、服薬指導時には体調のわずかな変化にも注意し、早期に異常を察知する意識が重要であると感じた。また、持参薬の確認においては、術前中止薬や薬剤アレルギー情報を正確に把握し、薬剤選択に反映することが患者の安全に直結することを実感した。
今後も患者背景を十分に踏まえた薬学的介入を意識し、より適切な服薬支援ができるよう取り組んでいきたい。
まとめ
病院実習は負担が大きくレポートも重たいですが、常に理由を考える姿勢を意識し、患者さんや薬剤師さんと多く話すことでレポートは確実に書きやすくなります。
今回の実務実習をを通して、薬局実習では薬剤の提供だけでなく薬剤師との対話が安心感につながっていることを実感しました。病院実習では患者一人ひとりの背景や治療方針を正確に理解し、それを踏まえた薬学的視点での判断が求められることを改めて実感しました。こういった貴重な体験を踏むためにも、前向きに実務実習に取り組むことが自分自身の成長につながると思いますので、実務実習がんばってください!
