国家試験対策

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ノウハウ

薬学生のための過去問の効果的な活用方法とおすすめ年度

薬学生のための過去問の効果的な活用方法とおすすめ年度

薬剤師国家試験に向けて繰り返し解くべき過去問の選び方と勉強法

今回は薬剤師国家試験合格のカギとなる過去問演習の効果的な進め方を解説します。過去問をどうやって使い、どの年度を重点的に学習すべきかを詳しく紹介します。

薬剤師国家試験において最も大切な学習方法の一つは過去問演習です。過去問を中心に学習することで、出題傾向や自分の弱点を把握し、合格に必要な得点力を効率的に身につけることができます。国家試験では過去10年程度の類似問題が繰り返し出題される傾向があり、過去問を最低3周は解き直すことが理想とされています。薬剤師国家試験の過去問は厚生労働省のホームページで公開されています。(出典:厚生労働省 薬剤師国家試験情報)。

薬剤師国家試験の過去問には実際の出題がそのまま反映されているため、模擬試験や大学の卒業試験とは異なり、実際の出題形式や問題文の長さ、思考の方向性を学ぶことができます。また、過去問演習を通して、時間配分の感覚を身につけることも重要です。薬剤師国家試験は時間がタイトな試験で、一問ずつ丁寧に解こうとして時間を使い過ぎてしまうと、後半の問題に対応しきれなくなることがあります。そのため、演習では制限時間を意識して解く練習を取り入れましょう。

最近の薬剤師国家試験の傾向

近年の薬剤師国家試験では、単一の科目に限定した知識ではなく、複数の分野を横断する応用力を問う問題が増えています。特に理論問題や実践問題では、症例や検査値、図表の読解を含む出題が増え、病態や薬理、実務など複数の領域の知識を統合して考える力が必要とされています。背景には、実際の医療現場で薬剤師が複数の視点を統合して判断する力が求められるという現状が反映されています。そのため、過去問演習を通じてこのような力を養うことが重要です。

また、時事的な話題が問われることもあり、新薬の機序や感染症対策、ドラッグデリバリーシステムや多職種連携といったテーマが出題されるケースもあります。過去問はこうした流れを把握する手段としても有効です。

過去問演習の基本的な進め方

過去問を使った学習は「ただ解いて終わり」ではなく、やり直しの質を高めることが重要です。効率よく過去問を演習するために、以下のステップで進めましょう。

まず、10問程度を目安に過去問を解きます。たくさんの問題を一気に解こうとすると、1回目の解答に時間がかかってしまい、やり直しの時間が十分に取れなくなります。10問単位で区切ることで解く量と見直す量のバランスを保つことができます。

解いた後は丸付けを行い、誤答を分析することが最も重要です。間違えた選択肢だけでなく、正しい選択肢もなぜ正しいのかを自分の言葉で説明できるようにしましょう。そこでおすすめなのが、問題用紙やノートに解説メモを手書きで書き込む方法です。解説メモをしっかり書き込むことで、1つの問題から複数の知識を得ることができます。

例えば、ある薬の作用機序に関する選択肢があり、それが正しいか間違っているかを判断するためには、その薬の作用点や副作用、適応症など複数の知識を関連付けて覚えておく必要があります。こうした情報を解説に書き込むことで、次回以降の復習が効率的になります。

理解度による問題分類と復習方法

過去問を解く際には、自分なりに難易度を分類しながら進めることで、効率的な復習が可能になります。具体的には以下の3つのカテゴリに分類します。

☑ 次に解いても確実に正解できる問題
☑ 正解できたが、次は間違える可能性がある問題
☑ 間違えた問題

これらをそれぞれ記号でマークしておくと、次回以降の演習でどの問題に重点を置くべきかが明確になります。「確実に正解できる問題」は2周目以降は飛ばしても構いませんが、「正解できたが不安がある問題」や「間違えた問題」は丁寧に解説を読んで理解を深めましょう。

1周目は「自分がどこを理解していないかを知る」ことが目的であり、正解すること自体が目的ではありません。2周目は「曖昧さをなくし、確実に理解する」ことが目的です。ここでは教科書や参考書に戻って補強することも大切です。3周目以降は「実戦で使える解き方を身につける」ことを意識して、消去法や設問文の読み方、計算問題の正確性などを高めていきましょう。

過去問演習の順序と戦略

過去問を解く際には、どの年度から始めるかも重要です。おすすめは次のような順序です。

第108回国家試験
第105回、107回、110回国家試験
第109回国家試験やその他年度

第108回国家試験は合格点が過去最高であり、全体的に取り組みやすい問題が多く出題されました。この回からスタートすることで、勉強の進め方や時間配分をつかむことができます。

第105回、第107回、第110回は平均的な難易度の試験です。これらを繰り返し解くことで、標準的な出題に対応できる力を身につけることができます。第109回国家試験は必須問題や理論問題が難化しており、ある程度力がついてから取り組むことをおすすめします。

また、過去問は年度ごとに1セットとして解くのではなく、分野別に固めて解くことも効果的です。例えば薬理学の理論問題だけをまとめて演習することで、同じテーマの知識を深く理解できます。これは国家試験でよく見られる「同じテーマの形を変えた出題」に対応するためにも有効です。

直近10年分(第100回から第110回まで)を目安に演習するとともに、余裕があればさらに5年分(第95回から第99回まで)まで広げると、より確実な知識の定着につながります。ただし、あまり古い年度ばかり解くよりも、出題形式やカリキュラムに近い直近の過去問を優先してください。

まとめ

ここまで薬剤師国家試験における過去問の重要性と効果的な学習方法を紹介しました。過去問は単なる演習素材ではなく、出題傾向の理解、自分の弱点の発見、解答力の向上など多くの学習効果を生み出します。復習用のノートを活用し、間違えた問題から学びを得ることを習慣化しましょう。また、演習の順序や難易度のバランスも考えながら勉強計画を立てることが大切です。

過去問演習を学習計画の中心に組み込み、効率的に学習を進めてください。皆さんの国家試験合格を心から祈っています。

出典

厚生労働省 薬剤師国家試験情報
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/yakuzaishi-kokkashiken/index.html

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