■薬剤師が活躍できる主な業界

薬剤師の専門知識は、医療現場に加え、医薬品の流通や人々の健康・美容・社会・教育に関わる幅広い分野で必要とされています。
| 業界 | 主な活躍フィールド | 特徴 |
|---|---|---|
| 医療機関・調剤 | 病院、調剤薬局、
ラッグストア(調剤部門) |
薬剤師が患者様の治療に直接関わる最も一般的な活躍の場です。 |
| 製薬・研究開発 | 製薬会社、CRO、SMO | 新薬の開発、製造、品質管理、情報提供など、患者様が使用して効果が発揮されるまで幅広く関わります。 |
| 医薬品卸・物流 | 医薬品卸売業者
専門物流会社 |
病院・薬局への医薬品の安定供給、適正な保管・管理を担う、流通の要となる分野です。 |
| 化粧品・食品 | 化粧品メーカー
健康食品メーカー |
薬学知識を基にした製品開発、安全性評価、法規制対応などを行います。 |
| 行政・公衆衛生 | 厚生労働省、保健所
麻薬取締部 |
薬事行政、公衆衛生、食品衛生など、社会全体の健康と安全を守る役割を担います。 |
| 教育・その他 | 薬科大学
医療コンサルタント メディカルライター |
後進の育成や、専門知識を活かした情報発信、経営支援などを行います。 |
■薬剤師であることが活きる職種

薬剤師の職種は、免許の行政登録が必須な「医療系職種・管理者」と、免許登録は不要ですが知識が極めて有利な「企業系職種」に大別されます。
■製薬企業 主要職種
薬剤師として科学的知識と法令遵守意識が特に評価されます
| 職種名 | 業務内容 | 薬剤師の有利な点、向いている人 |
| 研究職 | 新薬の候補物質の探索、有効性・安全性評価、新規技術開発など、創薬の基礎となる研究開発を行う。 | 高度な薬学知識と実験スキルが強み。
論理的思考力に優れ、粘り強く真理を追求できる探求心のある人。 |
| CRA
(臨床開発モニター) |
治験が関連法規や実施計画書、GCPを遵守し、倫理的・科学的に適切に行われているか医療機関をモニタリングする。 | 薬理作用・疾患に関する専門知識と高いコミュニケーション能力。
フットワーク軽く、多様な関係者との調整が得意な人。 |
| DM
(データマネジメント) |
治験で得られた臨床データの収集、品質管理(クリーニング)、標準化を行い、統計解析に利用できる状態に整備・固定する。 | 治験プロセス・薬学知識と緻密な作業能力。
正確性を重視し、複雑なデータやシステムの理解に長けている論理的な人。 |
| 解析 | 治験の統計解析計画を立案・実行し、得られたデータを評価して、専門的な統計知識に基づいた臨床的意義を考察する。 | 統計学と薬学の知識を融合できる。
数字に強く、仮説検証の論理的思考が得意で、データから真実を導き出す力のある人。 |
| メディカル
ライティング |
治験総括報告書や医薬品の承認申請に必要なCTDなどの文書、論文を、科学的かつ正確な根拠に基づいて作成する。 | 薬学的な専門知識と高い文章作成能力。
複雑な情報を正確に整理・分析し、分かりやすく論理的に表現することに長けている人。 |
| 開発薬事 | 薬機法などの規制に基づき、当局との折衝や各種申請資料の作成・提出など、医薬品の承認プロセス全般を担う。 | 薬機法や各種規制に関する深い理解。
当局との折衝力や高い論理的思考と緻密な計画性を持ち、粘り強く交渉できる人。 |
| PV
(安全性情報) |
市販後の医薬品等の副作用・有害事象情報を収集・評価し、規制当局への報告や、製品の安全性確保・対策を推進する。 | 薬理作用・副作用に関する専門知識と高い倫理観。
責任感が強く、正確な情報収集と評価を通じて社会貢献したいと考える人。 |
| MR
(医薬情報担当者) |
医師などの医療従事者へ医薬品の適正使用のための情報提供や情報収集を行い、結果として医薬品の普及・販売促進を図る。 | 薬学の専門知識と高い対人スキル。
明るく社交的で、医師等との信頼関係を構築し、目標達成に向けて努力できる行動力のある人。 |
| DI
(医薬品情報担当) |
医療従事者や患者からの医薬品に関する幅広い問い合わせに対応し、正確かつ科学的な根拠に基づいた情報を提供する。 | 医薬品に関する幅広い知識と文献検索能力。
質問の本質を捉え、複雑な情報を分かりやすく正確に説明する能力に長けている人。 |
| 倉庫管理薬剤師 | 薬機法に基づき、医薬品の保管・管理の責任者として、適切な品質管理、出庫管理、法令遵守を徹底し、品質を確保する。 | 薬事法令と品質管理(GQP/GMP)の知識。
責任感が強く、医薬品の品質と安全のために法令遵守を徹底できる管理能力のある人。 |
| 品質管理
(QC) |
医薬品の出荷前試験、中間製品の検査、安定性試験などを実施し、製品が定められた規格・基準を満たしているかを確認する。 | 分析化学の知識と高度な実験・分析技術。
厳密な手順を正確に守り、精密で信頼性の高いデータを出すことが得意な几帳面な人。 |
| 品質保証
(QA) |
製造・出荷の全てのプロセスがGMP等の品質システムに適合しているかを保証し、文書管理や逸脱管理、外部委託先の監査を行う。 | GMP/GQPなどの品質システムと薬学の知識。
高い監査能力と、広い視野で製品の品質保証体制全体を見渡せる責任感の強い人。 |
■化粧品メーカー 主要職種

薬剤師は、医薬品開発の知識(化学、毒性、薬事)を活かし、化粧品の「科学的根拠に基づく製品開発」と「法令遵守」の推進に貢献できます。
| 職種名 | 位置づけ | 主な仕事内容(補足) | 薬剤師の有利な点 |
| 処方開発研究 | 処方開発 | 新規有効成分や素材の探索、製品の処方設計(製剤化研究)。 | 製剤学、有機化学の知識。成分の安定性・皮膚浸透性を予測できる薬学知見。 |
| 安全性評価
有効性評価 |
安全性
有効性評価 |
処方された製品の安全性(刺激性)や有効性(保湿・抗シワ等)の評価試験、データ解析。 | 皮膚科学、毒性学の知識。医薬品治験と同様の統計的・論理的評価能力。 |
| 薬事・法規対応 | 法規制対応 | 製品の製造販売承認申請、表示・広告の法規制チェック、規制当局との折衝。 | 薬機法、景表法の深い知識。医薬品申請経験に基づく緻密な法規対応。 |
| 品質保証(QA) | 製造
品質管理 |
製造・販売の全工程の手順書作成、監査対応、品質マネジメントシステムの運用。 | GQP/GMP(医薬品)の経験が、化粧品の品質保証体制構築に直結。 |
| 品質管理(QC) | 製造
品質管理 |
製品や原料の規格試験・理化学試験、安定性試験を行い、品質基準を保証。 | 分析化学の知識と、医薬品と同様の厳格な試験・管理意識。 |
| 倉庫・物流管理 | 製造
品質管理 |
原料や製品の適正保管・流通管理、品質劣化品の管理、法令遵守。 | 医薬品の適正流通・保管に関する知識や管理能力。 |
| 学術広報・PR | 情報提供 | 外部の専門家やメディアに対し、製品の科学的根拠やデータを学術的に説明・情報発信。 | 皮膚科学、薬理学に基づく成分の作用機序に関する深い知識。 |
| 営業 | 情報提供 | 顧客(販売店、エステサロン、消費者)に対し、成分や有効性情報を提供・販売促進する。 | 成分の科学的根拠に基づいた説得力ある説明。信頼性。 |
| 安全性情報 | 情報提供 | 市販後の肌トラブル情報を収集・評価・分析し、社内や行政に報告する。 | 皮膚科学・毒性学の知識に基づき、トラブルの原因を医学的に評価できる。 |
| お客様相談室 | 情報提供 | 社内外からの成分、安全性、有効性に関する専門的な問い合わせに対応。 | 広範囲な薬学知識。専門情報を分かりやすく伝える高いコミュニケーション能力。 |
■医薬品卸会社 主要職種
| 職種名 | 位置づけ | 主な仕事内容(補足) | 薬剤師の有利な点 |
| 営業(MS) | 情報提供
販売 |
病院・調剤薬局に対し、医薬品の価格交渉、安定供給、新製品情報を提供・提案する。 | 医薬品に関する専門的な質問に即座に対応可能。医療従事者からの信頼性が高い。 |
| 管理薬剤師業務 (薬事・DI・品質・法規制含む) | 品質管理
法規制対応 情報提供 |
医薬品の適正保管・出庫の責任者(免許必須)。薬機法遵守の推進、流通・保管の品質保証(QA/QC)、社内外からの専門的な医薬品情報(DI)の提供。 | 薬剤師免許の行政への登録が必須。薬機法、GSPに基づく適正流通と品質体制構築の専門知識。 |
■公務員 主要職種
公務員薬剤師は、国家公務員(厚生労働省、麻薬取締官)と地方公務員(都道府県、保健所)に分かれ、安定した身分で社会全体の健康を守ります。
| 勤務先 | 主な業務内容 | キャリアパス |
| 保健所
都道府県庁 |
薬事監視、食品衛生監視、環境衛生、献血推進、薬物乱用防止などの行政業務。 | 経験を積み、薬事担当課長などの管理職への昇進。厚生労働省への出向や、他自治体への異動。 |
| 麻薬取締部 | 麻薬、覚せい剤などの不正取引に関する捜査・取締り。 | 専門性を活かした捜査のプロフェッショナルとして昇進。 |
| 公立病院 | 病院薬剤師業務(調剤、病棟、チーム医療)。 | 公務員としての安定した身分を持ちながら、病院内での管理職を目指す。 |
■教育・出版業界 主要職種
| 職種名 | 位置づけ | 主な仕事内容(補足) | 薬剤師の有利な点 |
| 教育職
(大学教員・予備校講師など) |
教育
人材育成 |
薬科大学や専門学校での教育・研究、国家試験対策の指導、後進の育成。 | 薬剤師免許とその取得プロセスへの深い理解。薬学の専門知識を体系的に教えられる。 |
| 出版・情報提供職
(メディカルライター・編集者) |
情報発信
編集 |
医療・薬学系の教科書、論文、記事の執筆・編集、専門情報を一般にわかりやすく発信。 | 科学的根拠に基づいた正確な文章力。最新の医療情報を正確に評価・整理できる。 |
■企業に関心が高い薬学生の皆様へ
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社会に出てからは、やりたくてもできない仕事が多く存在するため「知らないから選べない、知っていれば興味が持てた」ことが1番もったいないです。
納得感を持って長く働くことが出来るためにも、今できることをやり切りましょう!